【現地レポート】第2日 / 女子予選ラウンド ―土壇場の2ポイントに泣いた女子代表―
【女子予選ラウンド 第1戦】
日本 ● 14-16 ○ フランス
大会2日目を迎え、3×3女子日本代表が予選ラウンドに登場、初戦の相手はフランスです。FIBAランキング5位(日本は7位)、ヨーロッパカップ3位の強豪で、日本チームは予選ラウンド突破へ向けて、このフランス戦をターゲットにして直線合宿に取り組んできました。
しかし、ロイブル ディレクターコーチが「初戦で緊張し、硬くなってしまったのかもしれない。試合の入りからもっとプレッシャーをかけたかった」と振り返るとおり、序盤の日本はチームがうまくかみ合わず、どこかぎこちなさが感じられました。点差こそ大きくは引き離されないものの、#16宮下希保選手が先制点を奪った以外、常にフランスを追う展開に。点差以上に圧倒的なフランスのペースだったと言えます。
7-11と、この試合の最大得点差で迎えた残り4分28秒、宮下選手がこの日、チームとして初めての2ポイントシュートを決め、反撃の狼煙を上げます。苦しい展開に耐え、少しずつ自分たちの動きを取り戻してきた日本は、その後、アグレッシブなディフェンスでフランスの得点を止め、#18栗林美和選手が果敢にドライブしてファウルを誘うと、残り3分14秒、12-11と逆転に成功。2分を切ったところでは14-11とリードを3点に広げ、そのまま一気に勝利へ向かうかに思えましたが、強豪フランスが簡単に諦めるわけもなく、残り1分14秒に14-14と、再び同点に持ち込まれました。
両チーム譲らない激しいゲームもいよいよ決着の時が来ます。互いに決め手を欠き、得点が変わらぬままの残り16秒、日本のプレシャーディフェンスに押し出されながらもわずかなスペースを見逃さずに放たれたフランスの2ポイントシュートがネットを揺らします。この2点が決勝点となり、大一番のフランス戦に敗れ、黒星スタートとなりました。
【女子予選ラウンド 第2戦】
日本 ● 20–22 ○ スイス
「フランス戦と同じミスをしないように、試合の入りに集中した」(#13伊集南選手)というスイス戦。フランスに黒星を喫してしまっただけに、絶対に負けられない相手であり、実力的にも順当であれば勝利が見える相手です。
序盤からしっかりと足を動かす日本は、序盤は宮下選手が得点を引っ張り、また栗林選手がまさに体を張ったリバウンドで奮闘、リードを徐々に伸ばしていきます。残り5分を切って13-8。さらに時間は進み、15-10で迎えた残り3分3秒、この試合の最大得点差5点のビハインドを背負ったスイスは、開き直りにも思える2ポイントシュート攻勢に出ます。15-12となるこのシュートから、スイスはわずか1分半足らずで、3本の2ポイントシュートを含む9得点を重ね、一気に逆転 (18-19)。日本も意地を見せ、#18栗林選手が右コーナーに近い位置から2ポイントシュートを沈め、20-20の同点で最終盤へと突入しました。
第1試合のフランス戦同様、ここでも最後に勝敗を分けたのは2ポイントシュートでした。両チームともにあと1点を奪えば勝利する状況で、先に2ポイントシュートを放ったのは日本。しかし、このシュートがネットを揺らすことはなく、そのリバウンドからのアウトレットパスから、今度はスイスが2ポイントシュートを放ちます。残り26秒、無情にもそのシュートがネットに吸い込まれ、20-22のノックアウトを喫しました。
「スイスは本来、アウトサイトからのシュートばかりを狙うようなチームではないし、それほど確率も高くない。けれども、今日はそれが入り、結果、敗戦につながった。相手がアウトサイドに賭けてきたところで、うまく対処しなければなりませんでした」とロイブルコーチは振り返りました。
伊集選手は「連敗となって崖っぷちに立ったけれど、まだ終わったわけではないし、このまま終わらせるわけにもいきません」と試合後にコメント。明後日、起死回生を期し、アジアカップ覇者のオーストラリア、そしてアンドラと対戦します。
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試合後の選手コメントは以下のとおり。
■3×3 女子日本代表チーム #13 伊集 南 選手
「フランス戦は自分たちの戦いが、特に試合の入りでできずに敗れたこともあり、2戦目では自分たちの戦いをしようという気持ちでチーム全員が試合に臨みました。しかし、スイス戦ではリードしている状況から終盤になって立て続けにシュートを決められてしまって2連敗となってしまいました。敗因は力の差というよりも、気持ちの弱さや、それによるちょっとしたミスの積み重なりなどから相手にペースを与えてしまったことだと思いますが、今日は本当に勝つことの難しさを痛感させられた1日でした。
今大会については、私たちはすでに崖っぷちに立っていますが、まだ終わったわけではありませんし、今後のことを考えても、このまま終わるわけにはいきません。アジアで戦えた自信もありますし、世界を見ても、十分戦える力は持っていると思います。今大会は、何があっても私たち4人で戦うわけですから、今日の敗戦は敗戦として切り替えて、4人でもう一度、明後日の試合に向かっていきたいと思います」