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【現地レポート】第4日 / 女子予選ラウンド ―決勝トーナメント進出ならずも、最終戦でアンドラに勝利し有終の美を飾る―

【女子予選ラウンド 第3戦】
日本 ● 16 – 18 ○ オーストラリア

 女子日本代表は、またしても2ポイントシートで涙をのみました。男子同様、アジアカップチャンピオンのオーストラリアとの対戦。第1戦のフランス、第2戦のスイスともに最終盤に2ポイントシュートを決められての敗戦。白星のないまま第3戦を迎えた女子日本にとって、今日の試合で2勝し、さらに相手の結果待ちという厳しい状況のなか、決勝トーナメント進出へ向けて一縷の望みをかけて立ち向かった相手でした。

 試合は序盤から、アジアチャンピオンに一歩も引けをとらない緊迫した内容となりました。しかし、男子同様、アクシデントが起こります。12-12で迎えた残り3分41秒、#16栗林未和選手がスティールを狙って右手小指を負傷し、戦線離脱。3人での戦いを余儀なくされます。それでも一進一退の攻防を繰り広げ、16-16、試合はオーバータイムに入りました。

 オーストラリアボールで始まったオーバータイムは、いきなりオーストラリアが放った2ポイントシュートがリングに弾かれ、九死に一生を得たと思った瞬間、リバウンドを獲得し損ねアウトオブバウンズ。再びオーストラリアボールでピンチは続きます。

 この勝負どころで、「私たちの経験不足の面が出てしまった」(#13 伊集南選手)との言葉どおり、放たせてはいけない2ポイントシュートをまたもや狙われてしまい、その2本目がネットを揺らし、16-18でゲームセット。フランス戦、スイス戦と同じ2ポイントで息の根を止められる形で、試合を落とし、この敗戦により女子日本代表チームの予選ラウンド敗退が決まり、次戦アンドラ戦を最後に、大会から姿を消すことになりました。



【女子予選ラウンド 第4戦】
日本 ○ 17 – 5 ● アンドラ

 予選ラウンド敗退決定から約3時間後、オーストラリア戦で負傷した栗林選手を欠き、3人でコートに登場した日本チーム。有終の美を飾るべく、アンドラ戦に臨みました。

「最後に、なんとか踏みとどまることができた」(伊集選手)というように、3連敗によって集中力が切れかかってもおかしくない状況のなか、交代要員なしのハンデを背負いながらも、必勝を期して、選手たちはコート上で奮闘を見せました。序盤から一気に猛攻を見せると、そのまま相手に付け入る隙を与えずに終始日本ペースで試合を進め、17-5の完勝。

「自分たちのバスケットボールをもう一度思い出して、プレーできてよかった」と#18宮下希保選手が言えば、ロイブルコーチも「男子もそうだったけれど、(故障者が出て) 3人になって、それでも勝ちたいという執念が見えたのは良かった。3×3だから3人のほうがいいのかな?」と最後はジョークも口にするほど、安どの表情を見せていました。今大会は結局、このアンゴラ戦の勝利のみで戦績は1勝3敗。上述したとおり、決勝トーナメントに進出することは叶いませんでした。




 日の丸を背負った責任感からか、敗戦した試合のあとには、コート上に座り込んで呆然としてしまった選手も、あるいはバックスペースで泣き崩れなかなか立ち上がれなかった選手もいました。それでも、全日程終了後には、1年後を見据えた選手たちの目の奥には決意と希望の光が宿っていました。


 ロイブルコーチは「今後東京オリンピックに向け、できるだけ早い段階で6人程度まで選手を絞り込んで、本格的な強化へとステップを進めていきたい」と語ります。今回のワールドカップはもちろん、勝利を目指したビッグトーナメントではありましたが、最大の目標は1年後。東京でこのリベンジを果たします。

 
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試合後の選手コメントは以下のとおり。

■ 3×3 女子日本代表チーム #3 馬瓜 ステファニー 選手

「敗れた3試合はいずれも、正直言って今でも勝てる相手だったと思っていますし、いずれも自分たちの経験不足を含めた実力不足から、自分たち自ら勝ちを逃してしまった試合でしたので、本当に残念ですし、悔しいです。ただ、強豪を相手に十分戦えたと実感した一方で、結果的に成績には結びつかなかったわけで、自分たちには足りないところがまだまだ多いことを思い知らされたのも事実です。結果は求めた結果ではありませんでしたが、今回それに気づけたというところでは、のちに振り勝ったときに、私のバスケットボール人生において、また3×3でキャリアと積むにあたって、非常に大きな意味をもつ大会になったのではないかと感じています。
 攻守にわたりチームを引っ張り、勢いづけるのが自分の仕事だと思っています。今回は十分に仕事が果たせたとは言えませんが、この悔しさや経験を糧にして、もっともっと成長していきたいです」

■ 3×3 女子日本代表チーム #13 伊集 南 選手

「最後にやっと勝てました。勝って終われたのは良かったですが、この1勝までが本当に遠かったです。良くも悪くも本当にいろいろな経験をした大会で、先日も言いましたが、勝つことの難しさを痛感しました。私たちはワールドカップにおいてはルーキーですが、大会全体を通して3×3の奥深さ、世界レベルというものを改めて感じた大会でした。
 フランス戦、スイス戦と連続して、最後の2ポイントシュートで敗れた悪夢のような1日から、今日は気持ちをもう一度切り替えてチーム一丸で臨み、オーストラリア戦も同じ展開になってしまい気持ちが下がりかけましたが、なんとか踏みとどまることができました。敗れた3チームについて、特にスランスとオーストラリアについてはいずれも強豪ですが、負け惜しみではなく、“日本は戦える”という実感を得られたのは良かったです。次は絶対に勝てると信じますし、もう負けたくありません。
 東京オリンピックに向け、今後どのような人選が行われ、どのようなスケジュールで強化に取り組んでいくのか今の私にはわかりませんが、私は必ずそこに残って、東京オリンピックで必ずや今回のリベンジを果たし、そしてメダルの獲得を目指します」

■ 3×3 女子日本代表チーム #16 栗林 美和 選手

「結果を残すことができず、とても悔しかったですが、この悔しさを忘れなければ、絶対に次のステップにつなげることができると思います。ワールドカップという大きな舞台で、そういう気持ちになれたという点では、結果は悔しいですが、いい大会でもあったと思います。
 オーストラリア戦で右手小指を痛めてしまい、最後のアンドラ戦には出場できませんでしたが、チームメイトが頑張ってくれ、1勝を挙げられたのは良かったです。
私自身の課題もより明確になりました。私は大きな選手につくことが多いので体の当たりに負けないこともそうですが、攻撃では特にシュートレンジを広げて、どこからでも得点を狙える選手になりたいです」

■ 3×3 女子日本代表チーム #18 宮下 希保 選手

「最後のアンドラ戦は、自分たちのバスケットボールをもう一度思い出して、プレーできてよかったです。ただ、敗れた3試合についても、もっとやれたと思います。この大会はもうやり直しがききませんが、次はオリンピックの舞台で、しっかりと勝ちにつなげられるよう、チームとしても、個人的にも強化に努めたいと思います。オリンピックでは絶対に金メダルを獲りたいです。
(国旗を背負って登場したシュートコンテストでは) 最初は本当に震えましたが、みんなが声をかけて応援してくれたので、思い切りシュートを打ってきました(10本中4本成功)。これからシュート力をもっと高めて、もし次に出場できる機会をいただけたなら、今度はそれ以上のシュートを決められるようにしたいです」

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