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【現地レポート】第3日 / 男子予選ラウンド ―強豪ポーランドをKOするも、男子日本は予選ラウンドで敗退―

【男子予選ラウンド 第3戦】
日本 ● 22 – 12 ○ オーストラリア

 この日、予選ラウンド第3試合としてまず対戦したのはオーストラリア。5月に行われたアジアカップの覇者であり、日本は準々決勝で14-21と黒星を喫した相手です。「アジアカップのときは、点差以上に力の差を見せつけられた試合でした。わずか1か月ほどの時間しか経っていませんが、その短い期間のなかでも、自分たちがどれだけ成長できたかを感じられる試合にしたい」(#6小林大祐選手)と、予選ラウンド突破に望みをつなぐ大一番に臨みました。

 序盤は日本の売りであるディフェンスでプレシャーを与えながら、互角の展開に持ち込みます。しかし、第2戦のブラジル戦で足首を痛めた#91落合知也選手を欠き、3人で戦う男子日本チームは、体格的に勝るオーストラリアチームとの激しい体のぶつかり合いで徐々に体力、集中力を奪われていくと、パスミスなどのイージーなミスも出始めます。また、オーストラリアにオフェンスリバウンドを連続で許し、さらにはディフェンスの瞬間の隙をついての2ポイントシュートを決められていき、ペースを奪われてしまいます。

 それでも気持ちだけは切らすことなく食らいついた日本でしたが、難敵オーストラリアにそのままKO負けを喫し、アジアカップのリベンジを果たすことはできませんでした。
「3人だったことは言い訳にはなりませんし、それは3×3の試合では当然想定されることです。3人だったから負けたのではなく、まだまだ自分たちの力が足りないということ。ここでへこたれるのではなく、この先を見据えて最後まで戦います」(#70小松昌弘選手)

 この敗戦で目標とした決勝トーナメント出場は叶いませんでしたが、敗戦にうなだれることなく前を向く選手たちの姿に、敗れはしたものの、今後のさらなる日本の成長を予感させる一戦となりました。

 
【男子予選ラウンド 第4戦】
日本 ○ 21 – 17 ● ポーランド

「オーストラリアに敗れた瞬間は、残念でしたが、それでも大会はまだ終わっていない。最後の試合で、自分たちの求める姿を、どれだけ強く追い求めていくか、その姿勢をプレーで示そう」(ロイブル ディレクターコーチ)

 選手たちとそう話して迎えた予選ラウンド最終戦となるポーランド戦。ポーランドはここまで全勝で、すでに予選ラウンド1位通過を決めている強敵ですが、ロイブルコーチに言われるまでもなく、選手たちは「今大会に来た意味をしっかりと残そう。自分たちのためにも、日本の3×3のためにも、それが自分たちの使命」(小松選手)と考えていたと言います。

 そんな「覚悟」ともいえる心境で臨んだ試合は、序盤から日本が躍動します。ディフェンスではより一層、相手との距離を縮めて隙あればボールを奪わんとするプレッシャーを仕掛けます。リバウンドも体を張って死守。オフェンスでは思い切りのよい2ポイントシュートを沈めていきました。残り4分35秒に、#23保岡龍斗選手が2ポイントシュートを決め、16-5とこの試合最大の11点差までリードを広げます。

 ここからポーランドも意地を見せて反撃に出ますが、日本は体力的に厳しくなりながらも足を動かし続け、ついにその時が来ます。残り41秒、保岡選手から小林選手へのアシストが決まり、21点目をゲット。ポーランドの反撃を振り切り、KO勝ちで最終戦を飾りました。

 ロイブルコーチは次のように語ります。
「日本の強みとしなければならないことは、プレッシャーディフェンスで失点を抑え、確実に2ポイントシュートを決めること。ポーランド戦でそれが実践できたことは、自信をもっていいと思います。確かに、ポーランドはすでに決勝トーナメント進出を決めていたということも多少は作用したかもしれません。それでもポーランドは今大会屈指の強豪ですし、世界的にもトップクラスのチームです。その相手にこれだけの試合ができることを証明したという点で、非常に有意義な試合でした」

 日本はこれまで、FIBAの公式国際大会でアジア勢以外への勝利はありませんでした。しかし、今大会はブラジル、そして現在3×3をけん引する欧州勢の強豪・ポーランドと、アジア勢以外から2勝を挙げました。目標とした決勝トーナメント進出こそ果たせませんでしたが、勝負は2020年の東京――。

 一歩、また一歩と男子日本代表は成長を続けています。

 
***
試合後の選手コメントは以下のとおり。

■ 3×3 男子日本代表チーム #6 小林 大祐 選手

「アジアカップに続き、オーストラリアにはまたしても力の差を見せつけられた思いです。ただ、そのまま終わってしまっては何もならないので、ポーランド戦は勝つことだけを考えて、ケガをした落合選手の分まで、3人で頑張りました。うまく意識を切り替えることができ、勝利できたことは本当に良かったです。
 決勝トーナメントに残れなかった悔しさが大きいですが、一方でいい経験もでき、手応えも感じることができた大会でした。応援してくださった皆さん、ご声援ありがとうございました」

■ 3×3 男子日本代表チーム #23 保岡 龍斗 選手

「決勝トーナメントに残れなかった現実を見ても、まだまだ僕たちの課題は多いと思います。ただ、最終戦のポーランド戦で勝ち切れたということは、これまでの日本の戦績等から考えても一歩前進した点もあったと思います。自分自身としても、アジアカップのときよりも明らかに手応えはありました。
 これからロイブルコーチを中心として大会を振り返り、その反省を踏まえ、東京オリンピックに向けてまた新たなチャレンジをしていきたいと思います。そして必ず、メダルに手が届く位置まで成長していきます」

■ 3×3 男子日本代表チーム #70 小松 昌弘 選手

「オーストラリアには中盤まで競ったものの、最後はリバウンドと2ポイントシュートで引き離されてしまいました。しかし、ポーランド戦は気持ちをしっかりと切り替え、自分たちが理想とするバスケットボールの一つの形を表現することができたと思います。最終の結果としては求めた結果ではありませんでしたが、これまでアジア勢以外、とくにヨーロッパ勢には太刀打ちできなかったところが、今大会でブラジル、そしてポーランドに勝ち切れたことは自信につながりました。この収穫をしっかりと日本に還元して、次につなげることが大事ですし、それが今大会に参加させてもらった僕らの使命だと思います。まだまだこれからも、頑張っていきます。
 最後に、深夜の試合にもかかわらず、日本で応援してくださった皆さん、ありがとうございました」

■ 3×3 男子日本代表チーム #91 落合 知也 選手

「自分は初日に足を痛めてしまったので、今日のオーストラリア戦とポーランド戦は出場できませんでしたが、出られないなかでもチームの一員として声を出したり、仲間にアドバイスしたりと、自分なりに戦いました。その結果、3人という厳しい状況で、それでもポーランドに勝ってくれたチームメイトに感謝したいです。決勝トーナメントには進めませんでしたが、最後に勝って終われたことは、本当に良かったと思います。
 自分はこれから日本に戻って、所属元でプロサーキットに出場することになります。そこで結果を出して、日本代表にもその経験を還元していきたいです」

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